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研修会とは? 担当者なら知っておきたいセミナー・講習会との違い

2020.05.12

カテゴリ: セミナー・シンポジウム

 

研修の担当者には、研修会を企画し、プログラムを組み立てる責任があります。研修会はセミナーと目的が異なるため、必然的に企画概要や準備の流れが異なってきます。

効果の出る研修会を開催したいのであれば、会社において研修会がどのような役割を果たしているのか知るべきです。

 

 

この記事では、研修会とセミナーや講習会との違い、研修会を行うまでの流れ、研修会を開催するために必要なスキルなど、研修担当者が知っておきたい知識について解説します。

 

1.研修会とは?

研修会とは、そもそもどのような目的で実施されるのでしょうか?

研修とは、読んで字の通り、「研究」「修める」と書きます。つまり、研修会とは「ある特定の分野の技能や知識を学ぶ会」を指します。

 

会社が企画し、社員が職務上必要となるスキルや知識を集中的に身に着ける場を「研修会」と呼びます。

 

 

1-1.研修会の目標と目的

ただスキルや知識を身に着けるだけでは、ただの講習会と何ら変わりがありません。

研修会が実施されるのは、社員個人のスキルアップが、最終的に会社の利益や生産性向上につながるからこそです。ここが、研修会とその他の講習会が一線を画すポイントです。

 

 

以上をまとめると、下記のようになります。

 

研修会の目標・・・社員が特定の分野の技能や知識を学んでスキルアップすること

研修会の目的・・・社員がスキルアップすることで、会社に利益が生じること

 

 

1-2.研修会の種類

研修には現場で職務に当たりながら実務訓練を行う「OJT研修」と、職場での業務を離れて知識を学ぶ「OFF-JT研修」の2種類があります。

研修会は普段の業務を離れて受講するのが一般的であるため、「OFF-JT研修」に属する手法だといえるでしょう。

 

 

研修会の種類は、下記の4つに大別できます。

 

 

【階層別研修】

コミュニケーション能力やビジネスマナー、リーダーシップ、チームビルディングなど、汎用的に役立つビジネススキルを学ぶ研修会です。新人社員、中堅社員、管理職など、入社後ステップを踏みながら受講するケースが多くなっています。

 

 

【職種別研修】

ITスキルや英会話など、特定の職種に必要となるスキルを学ぶ研修会です。

 

 

【コンプライアンス研修】

セクハラやパワハラ、その他企業が順守すべき様々な法律の知識を学ぶ研修会です。

 

 

【自己啓発研修】

思考力、行動力、労働生産性など、社員の精神面を強化する研修会です。

 

 

2.研修会とセミナーや勉強会との違いは?

研修会とセミナーの違いはなんでしょうか?その他にも「講習会」や「勉強会」など、似た言葉がいくつかあり、意味の違いに首をかしげてしまう人もいるでしょう。

 

この章では、研修会とそれ以外の集会の違いを解説します。

 

 

2-1.研修会とセミナーの違い

研修会とセミナーは、「特定の分野の技能や知識について学ぶ」という共通の目標を持っています。しかし、その目的において、研修会とセミナーははっきりと異なります。

セミナーは自社サービス・商品のPRや販売、顧客満足度の上昇など、対外的な目的で開催されます。

一方、研修会は社員のスキルアップやコンプライアンス向上など、対内的な目的で開催されます。

また、セミナーは自由参加ですが、研修会は企業から受講するように強制されるという点も、大きな違いでしょう。

 

2-2.講習会や勉強会との違い

研修会に似た言葉に「講習会」、「勉強会」があります。

 

講習会は、読んで字の通り、「指導を受けて勉強・練習すること」です。

講習会は自主的な参加を基本とするため、ほぼセミナーと同意義と思っていいでしょう。

 

それに対して、講師と参加者が「一緒に勉強する」スタイルの学びを勉強会といいます。勉強会は、時に講師がいない状態で開催されることもあります。

 

 

3.研修会を実施するまでの流れ

研修会の担当になった場合、企画から運営まで、どのように進めて行けばよいのでしょうか?研修会を実施する1つ1つの流れを見ていきましょう。

 

3-1.企画

まずは企画です。企画は「現状把握」→「研修テーマと対象者の決定」→「目標と効果測定方法の設定」というステップを通ります。

 

 

【現状把握】

 

研修会を企画するにあたって、研修会の目標を設定しなければなりません。

しかし、目標設定の前にやるべきことがあります。それが「現状把握」です。

もう一度、研修会の目標と目的を振り返ってみましょう。

 

 

研修会の目標は「社員が特定の分野の技能や知識を学んでスキルアップすること」です。一方、研修会の目的は「社員がスキルアップすることによって、会社に利益が生じること」です。

これらを踏まえて、研修担当者は

「社員がスキルアップすべき点はどこか」

「そのスキルアップによって、会社にどのような利益をもたらすのか」

という視点から、現状の課題を洗い出す必要があります。

 

課題を把握できれば、その解決策として企画すべき研修会の内容も見えてくるでしょう。強化すべきポイントがはっきりしたら、それに基づいて研修テーマと対象者を決定します。

 

 

【研修会の目標と効果測定方法の設定】

 

現状が把握できたところで、「社員をどのような状態に持っていきたいのか」という研修会のゴール目標を設定します。

また、研修会のゴールに合わせて、研修会の効果測定方法を設定しておかなければなりません。テストをすればすぐに効果が測れる研修テーマもあれば、すぐに効果が測れない研修テーマもあります(コミュニケーション能力や、チームビルディングなど)。

 

そのような場合は、時間をおいてからヒヤリングやアンケート、チームの業績を計測することで効果を測る必要が出てきます。

 

このように、研修会の終了を1つのゴールとしながら、そこから新たにスタートするフォローアップを考えるのも研修会担当者の重要な仕事といえるでしょう。

 

 

3-2.企画の具体化

研修会の企画案の骨子が固まったら、予算や日程、会場の選定、タイムスケジュール作成といった具体化の段階に入ります。

この段階における大きな業務として、講師の選定が挙げられます。

 

 

【講師の選定】

 

講師には社内講師と社外講師がいます。

予算が少ない場合、社内講師が採用されることが多いかと思われます。しかし、社内講師はプレゼンテーション能力が訓練されていない場合が多く、退屈な内容になりがちというのも現実です。

 

そのため、講演の評判が良く、なおかつ費用も予算内に収まる社外講師を見つけ出すことができればベストです。

 

3-3.企画書の作成・提出

ここまでの企画に基づいて、企画書を作成します。

上司にNGを出されないためにも、企画内容はわかりやすく1枚の紙にまとめて提出しましょう。現状の課題、解決法などに説得力があれば、稟議に通りやすくなります。

上司からNGを出されてしまった場合、企画内容が悪かったのか、それとも伝え方が悪かったのかを分析して、企画を作り直しましょう。

 

 

3-4.企画の準備

企画が承認されたら、具体的な準備に入ります。

 

 

【講師へ講演を依頼】

 

講師へ依頼する際に気をつけたいのは、研修内容を講師ときちんと共有することです。

 

例えば、「テーマはビジネスマナーです」と伝えるだけでは不十分です。一口にビジネスマナーといっても、社員が今身に着けるべきビジネスマナーと、講師がイメージするビジネスマナーにずれがある可能性もあります。

そのずれを修正しないまま研修会当日を迎えてしまうと、研修会の開催意義が薄れてしまうでしょう。

 

研修内容を講師と正しく共有するポイントは、「なぜビジネスマナーについての研修会を企画したのか」など、依頼に至った背景を含めて伝えることです。これにより、講師はより正確にテーマを把握できるようになり、それに合わせて研修内容を最適化してくれるでしょう。

 

 

【研修会の告知や案内】

 

参加者への告知や案内を開始します。メールや口頭、あるいは会社で使用しているチャットツールなどを使用して告知することになりますが、連絡漏れがないように複数回に分けて告知するなど工夫しましょう。

また、研修会が行われることで現場が混乱しないように、参加者のマネージャーの立ち位置にいる社員にもしっかりと根回しを行っておく必要があります。

 

 

【備品の用意】

 

研修会当日に使う備品のチェックリストを作っておくと良いでしょう。机や椅子、アンケート用紙、参加者用の飲み物、プレゼンに必要なプロジェクター、ホワイトボード、講師のPCをつなげるためのコネクターなど、漏れがないように準備しましょう。

 

 

3-5.当日

いよいよ研修会当日です。講師に引き継ぎ、全体スケジュールが滞りなく進むようにタイムキープを行います。講演が終わったら、参加者にアンケート用紙を提出してもらって終了です。

終了後には、上司に提出する研修実施報告書も作成しましょう。

 

 

4.研修会担当者が持っておきたいスキル

この章では、効果が出る研修会を開催するために身に着けておきたい3つのスキルを紹介します。全てのスキルをバランスよく伸ばすのは簡単ではありませんが、この3つのスキルを常に意識しておきましょう。

 

 

4-1.企画力

研修会担当者に必要とされるのは、現状の課題を解決するための適切な企画力です。

そのためには、会社の方針を理解した上で現状の課題を把握し、そのギャップを埋めるために必要な研修内容を立案する、俯瞰的な視野を養う必要があります。また、研修会だけですべてを解決するのではなく、継続的な研修プランを提案することも大切です。

 

 

4-2.調整能力

研修担当者には、会社や上司と、現場の間を取り持つ調整能力が不可欠となります。

特に、現場のマネージャーや受講する社員は、ただでさえ忙しい中で研修会に協力しなければなりませんそのため、研修会に非協力的だったり、期待感が低かったりする可能性も十分に考えられます。

 

協力的な雰囲気で研修会を実施するには、研修担当者の人望がカギとなります。現場にこまめに足を運んで協力をお願いしたり、メールで連絡を取ったりして関係者への根回しをしっかり行うことで、「この人になら協力してもいい」という支持を得ることができるでしょう。

 

4-3.講習能力

企画内容がすばらしかったとしても、講師選びを間違えると、研修は成り立ちません。プロの外部講師といっても、その実力はピンキリです。分かりやすく、研修内容をしっかり理解した講演を行ってくれる講師はなかなか見つからないものです。

良い講師を見抜き、依頼するためには、担当者自身が優れた講習能力を持っていなければなりません。良い講師は、良い講師を見抜くことができます。

 

 

5.まとめ

研修会とは、社員のスキルアップを会社の利益につなげるための重要なプログラムです。個人が自由に参加するかどうかを決められるセミナーとは異なり、企業から受講が強制されるのが研修会の特徴といえるでしょう。

 

会社は社員のスキルアップを企業の利益につなげるために研修会を実施させますが、この目的を現場の人間と共有するのは至難の業です。

研修担当者になったら、上司と現場、双方にメリットがある研修会を上手にコーディネートしていきましょう。